2022.9.8 脱毛の知識
ロングパルス・アレキサンドライトレーザーが確実な理由!
ロングパルス・アレキサンドライトレーザーというレーザー光が採用されている「ジェントルレーズプロ」は、日本国内の医療機関(クリニック)で最も広く普及しているレーザー脱毛器になります。医療脱毛の世界では日々様々な研究がなされていて、新しいレーザー脱毛器なども徐々に増えてきましたが、それでも変わらぬ信頼を勝ち取っているのがアレキサンドライトレーザー系のレーザー脱毛器になっています。どうしてアレキサンドライトレーザーだと安心できるのか、その謎に迫ります。
「ジェントルレーズプロ」はここが良い!
当コラムでご紹介するロングパルス・アレキサンドライトレーザーを搭載した「ジェントルレーズプロ」と呼ばれるモデルは、アメリカのシネロンキャンデラ社によって製造されているものになります。
なぜこちらのモデルが広く医療現場で採用されているのか、その謎に迫っていきましょう。
国内で初めて「厚生労働省」に認可された医療用脱毛器
ジェントルレーズプロは、2017年に厚生労働省より医療用レーザー脱毛器として国内初の薬事承認を得ています。これによって、広く医療機関で導入されるようになっていきました。
「厚生労働省のお墨付き」になりますので、最も気になる点の「安全性」が担保されていると言えるでしょう。 安全性を確保することは医療機関側の責任であり、近年メディアなどでも取り上げられることの多い「医療ミス」を回避することにも繋がります。
患者さま側の安心材料にもなりますので、まずこちらの大前提をクリアーできていることが普及していった一番の理由だと言えるでしょう。
日本人の肌体質に合ったレーザー光(確かな脱毛効果!)
ジェントルレーズプロに搭載されている「ロングパルス・アレキサンドライトレーザー」というレーザー光は、メラニン色素の吸収性に秀でたものとなっています。
私たち日本人のムダ毛は欧米人とは異なり「黒いメラニン色素を多く含んでいる」という特徴があり、こちらのレーザー光を用いれば、ムダ毛に対してしっかりと熱を浸透させることが可能になるのです。
レーザー光の種類によって、メラニン色素の吸収性には差があります。皮膚やムダ毛の中にあるメラニン色素がどれだけレーザー光を吸収してしまうのかは、そのレーザー光の波長によって変化するのです。わかりやすく図式化すると、以下のように波長の短いレーザー光ほどしっかりとメラニン色素に吸収されるという特徴があります。
レーザー脱毛器 | 波長 | メラニン色素への反応 |
---|---|---|
アレキサンドライトレーザー | 755nm | ★★★★★ |
ダイオードレーザー | 800nm / 810nm | ★★★★☆ |
YAGレーザー | 1,064nm | ★★★☆☆ |
アレキサンドライトレーザーは最もメラニン色素の吸収性に秀でていますので、毛根組織に無駄なく熱が届き、「ムダ毛が生えてこなくなる…」という熱変性を実現させやすくなっています。
ロングパルスは「照射時間」のこと
ロングパルス・アレキサンドライトレーザーもアレキサンドライトレーザーも、いずれもレーザー光としては「アレキサンドライトレーザー」に違いはありません。
ロングパルスについては、レーザーのパルス幅のことを指しているだけで、こちらは「照射時間」を意味しているものです。つまり、患者さま目線としては照射時間が幾分長く設定されているアレキサンドライトレーザーなのだと理解しておくと良いでしょう。
パルス幅を長くすれば、レーザーエネルギーの滞在時間が増します。逆にパルス幅が短い場合には、瞬間的なエネルギーが鋭利になり、焦げなどが抑えられるという特徴があります。脱毛施術では毛根組織を熱変性させる必要がありますので、熱エネルギーを鋭利に通過させすぎず、しっかりと熱ダメージが届くように「ロングパルス」が採用されているのです。
少し話は逸れてしまいましたが、メラニン色素にしっかりと反応するアレキサンドライトレーザーは日本人のムダ毛の色に絶妙にマッチしますので、脱毛効果の精度についても確かなものが期待できると理解しておきましょう。
ショット式(HR方式)だからしっかり毛根組織を破壊
レーザー脱毛器には、脱毛方式として「ショット式(HR方式)」というものもあれば「蓄熱式(SHR方式)」というものもございます。
ショット式(HR式)の特徴は、毛包(毛穴)の中の一番奥にある毛の工場、「毛母細胞」や「毛乳頭」の破壊を狙うというものです。毛の生成工場を瞬間的な高熱(230℃程度)で熱変性させる処置になるため、「生えてこなくなる」を実現しやすくなっています。
当コラムでご紹介しているロングパルス・アレキサンドライトレーザー搭載の「ジェントルレーズプロ」には、こちらのショット式(HR方式)のものが採用されています。熱の浸透過程で少しチクっと痛むような影響はございますが、部位によって「表面麻酔」を施せば痛すぎて施術できないということはまず起こりません。
むしろ、「熱が浸透する痛み」こそが毛根組織が破壊できている論拠になりますので、痛みへのご懸念は後から得られる「脱毛効果の実感」によって払拭していただけるはずです。
蓄熱式(SHR方式)だと毛根組織へのダメージが弱い
いては、毛包内の奥ではなく中ほどに位置している「バルジ領域」をターゲットとしています。
ここは、毛母細胞や毛乳頭に「ムダ毛を作りなさい」と指令を出している組織と考えられており、「バルジ領域を封じてしまえばムダ毛も作られなくなる…」という考えがベースになっています。
また、蓄熱式のものはターゲットにもたらす熱の温度も「65℃前後」と緩やかになっており、じんわりとゆっくり組織にダメージを与えるという方法が採用されています。 この関係で「蓄熱式脱毛器」ではエステ脱毛並みに痛みが少ないという特徴を有するのですが、そのぶんムダ毛が抜け落ちるまでにかなりの時間を要したり、いつまで経ってもなかなか抜けずに「本当に効いているの?」といった不安を抱きやすいとの指摘もあります。
近年、この脱毛方式が採用された「メディオスターネクストプロ」と呼ばれる脱毛器の導入も増えてきましたが、「痛くない」ことばかりがクローズアップされ、「本当の脱毛効果」が少しないがしろにされているような気もします。
「ムダ毛の司令塔(=バルジ領域)」ではなく「ムダ毛の生成工場(毛母細胞や毛乳頭)」をしっかりと破壊する方が脱毛効果としては確実性がありますので、やはり国内で最も普及しているアレキサンドライトレーザー系のレーザー脱毛器の方が良いと当院は考えています。
バルジ領域の破壊だけで「毛が生えてこなくなるのか」はまだまだ未知数…
たとえば重度の熱傷(やけど)を負った場合でも、その部位から毛が生えてくるケースがあります。
この場合の皮膚組織を調べたときに、毛包内の中間に位置する部位「バルジ領域」は完全に熱損傷を負っていて、毛包の一番奥に位置する「毛母細胞」や「毛乳頭」は組織損傷が浅いようなことがあります。
「毛母細胞」や「毛乳頭」まで熱損傷が強く出ているときは、大部分のケースで完全に毛が生えてこなくなるため、「バルジ領域」の破壊だけでは持続的な脱毛効果は不完全になるのでは?という考え方もあります。
当院で安全確実にムダ毛の芽を摘んでみませんか?
当コラムでは、「ジェントルレーズプロ」が普及している理由について、アレキサンドライトレーザーの特徴やメリットを取り上げてご紹介しました。
クリニックによっては、アレキサンドライトレーザー系のモデルは導入されておらず、「こちらの新型のレーザー脱毛器だと痛みなく施術も可能で…」といった案内がなされるかもしれません。
レーザー脱毛施術においてのポイントは、何より「しっかり生えてこなくなるか?」ですので、この点を念頭に皆さまには信頼できるものをご選択いただきたいと思います。